介護業界の人手不足の解決策とは?解消方法と成功事例を解説
近年、超高齢社会の日本では介護の需要が増加する一方で、介護業界は慢性的な人手不足に直面しています。
本記事では、介護業界における人手不足の現状とその原因、そして具体的な対策方法について成功事例を交えながら紹介します。
介護業界の人手不足の解決方法としては、特に以下の4つが効果的です。
- 1.労働環境の改善
- 2.介護職の社会的評価の向上
- 3.介護スタッフの教育や資格取得の支援
- 4.外国人介護の採用
これらの方法を通じて、介護業界の人手不足問題にどのように対応できるのかを詳しく見ていきましょう。
介護業界の人手不足の原因は?
社会の少子高齢化が加速している
介護業界における人手不足の原因は、少子高齢化が進んでおり働き手が減少していることです。
内閣府の令和5年度版高齢社会白書によると、2022(令和4)年時点の日本の総人口は1億2,495万人のうち、
65~75歳以上の人口は1,687万人で総人口に占める割合は13.5%となっています。
また、2060年(令和42)には17.8%にまで上昇すると予想されていることから、今後半世紀で高齢化が急速に進展することになります。
地域別に高齢化率の今後の推計を見ると、これまで高齢化が進行してきた先進地域とともに、開発途上地域においても、
高齢化が急速に進展すると見込まれています。
出典:世界人口の動向等 内閣府
介護職に対するネガティブなイメージ
「介護」は今でも、「家族の代理」として従来身内が行うという認識が根付いていることから、
「介護を専門に扱う、プロフェッショナル」としての社会的認識の低さがあります。
また、介護の仕事は「キツイ・キタナイ・キケン」の頭文字をとって「3K」に該当します。
夜勤の存在による不規則な勤務形態、排せつ介助やおむつ交換など、精神面の辛さが挙げられます。
しかし、仕事の大変さに対して介護業界の基本給は低く、ボーナス、手当、昇給の少なさなどもイメージの低下に繋がっています。
介護人材の確保が困難
上記で解説したように、少子高齢化や社会的評価に関する課題から、必要な人材を採用するのが容易ではないのが現状です。
介護業界においては深刻な人材不足が続いてます。人材の確保が難しい理由は2つあります。
求人を掲載しても応募が来ない
介護事業所における人材の「不足感」(①大いに不安+②不足+③やや不足)の合計割合は、全体で66.3%となっています。
7つの職種別でみると「訪問介護員」が83.5%と最も多く、次に多いのは「介護職員」の69.3%となっています。
多くの介護事業所が人材不足を感じているなか、介護を志望した限られた人材の取り合いが激しくなっていると言えるでしょう。
激しい競争の中で必要な人材を獲得するためには効率的な募集方法がポイントとなります。
スタッフの定着率が低い
介護業界では定着率が低く、すぐに離職する方が多いことから人手不足を引き起こしています。
介護業界の離職状況として、勤続3年未満での離職が6割を超えています。
厚生労働省が発表した日本の平均離職率によると2022年(令和4)では、離職率は15.5%となっており、
介護業界の離職率は平均より高いという結果になっています。(令和4年 雇用動向調査結果の概要より)
離職理由で最も多かった理由は、「職場の人間関係に問題があったため」が 27.5%となっております。
介護の現場では人との関わりが多くやりがいを感じられる反面、人間関係によるストレスを感じやすいと言える業界です。
人間関係の他にも、「理念や運営の在り方に不満があったため」 22.8%、「他に良い仕事・職場があったため」19.0%、「収入が少なかったため」18.6%の順となっています。(※図2)
介護職の人手不足を解消するための4つの対策
ここからは、介護業界の人手不足を解消するために4つの対策をご紹介していきます。
対策をすべて実行することは難しいですが、出来る対策を1つずつ行っていくことで、スムーズな人材採用と定着率の向上に繋げることができます。
労働環境を改善する
人間関係の改善やスタッフにとって働きやすい環境を整えることが重要となります。
- ・人事制度の見直し職務態度などを評価する項目を設定し、自社に適した制度
- ・新人教育の強化
- ・人間関係や業務の相談窓口を用意する
- ・給与前払いサービスなど金銭面のサポートを導入する
- ・シフト管理・業務管理システムなどのITツールを導入して業務効率化する
- ・ユニットケア(スタッフ・利用者ともに少人数で運用する介護システム)を導入する
介護職の社会的評価の向上に向けた取り組み
介護業界の人手不足の解消や、離職率の高さを改善するために、介護職の社会的評価を向上させることも大切になります。
介護の仕事はきつい上に基本給は低いため、給料などの手当や金銭面のサポート、社員の評価制度を整えることでマイナスイメージを払拭できれば、
定着率向上が期待できます。
介護スタッフの教育や資格取得を支援する
社員の教育や、介護福祉士の資格取得の支援などを行うことで「教育制度がしっかりしていて、スタッフのキャリア形成を積極的にサポートしている」というアピールは、印象がよくなり効果的なポイントとなります。
介護業界でキャリアアップを目指している意欲的な人材からの応募も期待できるようになります。
外国人介護の採用を検討する
介護業界での人材不足を解消するために、外国人の方を採用する企業が増えています。
日本で働きたいと考えている外国人は若手が多く、力仕事が多い介護で活躍してもらえる可能性があります。
外国人介護を雇用するメリットとは?
- ・迅速な採用プロセス:最短で2週間で内定が決まり、人材の確保ができる
- ・真面目で意欲の高い人材: 個人差はあるが、真面目で意欲が高い人材を採用できる
- ・教育体制の強化: マニュアルで言語できていない部分が浮き彫りになり課題に向き合うことで、教育体制が強化し労働環境を改善できる
- ・異文化交流の促進: 異文化交流があることで、母国の歌や民族衣装などレクリエーションに取り入れ、
- 利用者にも楽しんでもらえることができる(サービスの向上)
外国人介護を採用するには?
外国人介護を採用するには、雇用する外国人が就労可能な在留資格を持ち、「介護」としての活動が認められていなければなりません。
介護としてお仕事できる主な在留資格としては、定住者や日本人の配偶者などといった身分系の在留資格の他に、「特定技能介護ビザ」「介護ビザ」「技能実習(介護)ビザ」の3種類の就労ビザというものもあります。
日本で何か活動する時に必要な許可証みたいなもので、国が在留資格認定証明書を交付します。
在留資格認定証明書を保有する人のみが日本に滞在することが許可されます。
保有している在日外国人の場合はすぐに雇用できますが、海外にいる外国人の場合だと申請が必要なため、手間と時間がかかります。
「特定技能介護ビザ」「介護ビザ」「技能実習(介護)ビザ」については、詳しく解説している記事がありますので、
そちらもぜひチェックしてみてください。
実際に人手不足を解消し、成功している企業をご紹介します。
介護老人保健施設の人材確保問題を特定技能介護で解決
介護人材の確保にお困りとのことで、特定技能介護の人材をご提案させていただきました。
特定技能の人材は初めてとのことでしたので、経験者の方を採用いただくことを提案し、技能実習生介護の経験者、
ベトナム人女性2名を無事採用することができました。
まとめ
介護業界の人手不足の原因、人手不足を解消する対策、成功事例などをご紹介しながら解説しました。
今後、介護業界の人材不足はさらに深刻になっていくと予想されます。
対策をすべて実行することは難しいかもしれませんが、読んでいただいた方のご参考になれば幸いです。
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