
ミャンマー人材の採用を検討する際は、文化的背景を知るだけでなく、候補者本人の経験・日本語力・働く目的を確認し、入社後の指導や相談体制まで設計することが、ミスマッチや早期離職の防止につながります。
2025年末の在留ミャンマー人は18万2,567人で、前年末から4万7,993人(35.7%)増加しました。
特定技能1号のミャンマー人も4万4,315人に達しています。
本記事では、最新統計、文化・宗教の背景、日本語学習の状況に加え、採用担当者が現場で活用できる面接・指導・定着支援のポイントを解説します。
ミャンマー連邦共和国の基礎情報

東南アジア・インドシナ半島西部に位置するミャンマー連邦共和国(通称ミャンマー)は、国土面積が約68万平方キロメートルで、日本の約1.8倍です。中国、インド、バングラデシュ、タイ、ラオスと国境を接しています。1948年に英国から独立し、1989年に英語国名の表記が「Burma」から「Myanmar」へ変更されました。
首都はネーピードー、最大都市はヤンゴンです。多くの民族・言語が存在するため、文化的背景や経験は出身地域によって異なります。
外務省の基礎情報では、人口は5,114万人(2019年推計)です。
2021年以降は国内情勢が不安定なため、人口や国内移動に関する数値は、調査年と出典を確認して扱う必要があります。
日本で働くミャンマー人の最新統計
2025年末の在留ミャンマー人は18万2,567人で、前年末の13万4,574人から4万7,993人(35.7%)増加しました。
2023年末の8万6,546人と比べると、2年間で約2.1倍です。なお、「在留ミャンマー人数」には就労者だけでなく、留学生や家族滞在者なども含まれます。
増加の背景は一つではなく、本国情勢、日本での就労・留学需要、受け入れ分野の拡大などが複合的に影響していると考えられます。

特定技能1号では、2025年末時点でミャンマー人が4万4,315人です。
分野別では、介護1万9,803人、外食業1万4,966人、飲食料品製造業4,739人が多く、上位3分野で全体の約89%を占めます。
採用市場を把握するときは、在留者総数と就労資格別の人数を分けて確認することが重要です。
出典:出入国在留管理庁
「令和7年末現在における在留外国人数について」
「国籍・地域別 特定技能1号在留外国人数(令和7年12月末)」
ミャンマー人の性格・国民性の特徴
文化や仕事観は候補者を理解する手がかりになりますが、国籍だけで性格や職務適性を決めることはできません。
出身地域、民族、宗教、家庭環境、学習歴、職歴による個人差を前提に、面接や入社後の対話で確認しましょう。
以下は、採用・定着支援で配慮を検討するための一般的な観点です。
① 穏やかな対話や人間関係を重視する人もいる
仏教文化や地域社会の影響から、対立を避け、相手との関係を大切にする人が見られます。
一方で、不満や反対意見を直接言わない場合もあります。
「大丈夫ですか」だけで終わらせず、「困っている点を一つ教えてください」など、答えやすい具体的な質問を使いましょう。
② 人前での強い叱責は避ける
国籍にかかわらず、人前で強く叱られることは心理的な負担になります。
特に対人関係を重視する環境では、周囲の前で面目を失ったと感じ、相談や報告を控える場合があります。
ミスを指摘するときは個別に、事実、影響、次に取る行動の順で具体的に伝えましょう。
③ 家族とのつながりが働く目的に影響する場合がある
家族への送金や将来の生活を目的に働く人もいます。ただし、すべての人に当てはまるわけではありません。
面接では送金の有無を前提にせず、本人が日本で働く目的、希望する収入・働き方、中長期の計画を確認しましょう。
④ 相談相手の存在が定着を支える
来日直後は、言葉や生活習慣の違いから孤立を感じることがあります。
同郷者の配置を前提にするのではなく、相談担当者やメンターを決める、入社後1か月は定期面談を行う、生活上の相談窓口を案内するなど、誰でも利用できる支援体制を整えましょう。
宗教と生活文化、NG行為
外務省の基礎データでは、ミャンマーでは仏教徒が約9割とされています。
一方で、キリスト教、イスラム教などを信仰する人もおり、民族・地域・個人によって宗教や生活習慣は異なります。
採用時には、食事、礼拝、服装、祝祭日の配慮が必要かを本人に確認し、可能な範囲を具体的にすり合わせましょう。
強い口調や人前での叱責は、国籍にかかわらず、萎縮や相談の遅れにつながります。
ミスがあった場合は1対1で、何が起きたか、仕事にどのような影響があるか、次に何をするかを順に確認しましょう。
人格ではなく行動に焦点を当て、改善後のフォローまで行うことが大切です。
教育事情
ミャンマーの学校制度は一般に、初等教育5年、中等教育7年(前期4年・後期3年)、高等教育に分かれ、義務教育は初等教育の5年間です。
2021年以降は国内情勢により、地域によって通学や学習継続が難しい状況も生じています。
学歴だけで能力を推測せず、候補者本人の学習歴、職歴、実技経験、読み書きの状況を個別に確認しましょう。
日本語学習者が増えている背景
ミャンマー語と日本語は、いずれも基本語順が「主語―目的語―動詞(SOV)」で、文の組み立てを理解する助けになる場合があります。ただし、他国出身者より習得しやすいと一律に判断することはできません。語彙、文字、敬語、職場固有の用語は別途学習が必要です。
・語順の共通点:
基本文では動詞を文末に置くため、初期の文型理解に役立つ場合があります。
・日本語学習者の拡大:
国際交流基金の2024年度調査では、ミャンマーの日本語学習者は10万315人、教育機関は685機関、日本語教師は3,577人でした。
学習者層は広がっていますが、採用時は国籍ではなく、会話・読解・業務指示の理解を職務に合わせて確認しましょう。
【実務編】ミャンマー人と働く上でのポイント
ここまでの文化的背景は「決めつけ」ではなく、対話のための仮説として扱うことが大切です。
本人の経験や希望を確認しながら、次の4点を受け入れ体制に落とし込みましょう。
指導・フィードバックの仕方
人前での叱責は避け、1対1で、事実、影響、次の行動を具体的に伝えます。
「なぜ間違えたのか」と責めるのではなく、手順書や実演を使って再発防止策を一緒に確認しましょう。
コミュニケーションの取り方
「大丈夫ですか」だけではなく、「分からない手順はどこですか」「次に何をしますか」と具体的に質問します。
復唱や実演で理解度を確かめ、質問や報告をしたこと自体を肯定する雰囲気をつくりましょう。
孤立を防ぐ工夫
相談担当者やメンターを決め、入社直後は短い定期面談を行います。
生活ルール、医療、交通、防災などの情報をやさしい日本語で伝え、必要に応じて地域の交流機会や相談窓口も案内しましょう。
評価・キャリアの見せ方
評価基準、昇給条件、習得すべき技能、次の役割を具体的に示します。
本人の目標と企業の育成計画を定期的にすり合わせることで、納得感と継続意欲につながります。
採用〜手続き面の実務
上記のような受け入れ体制づくりに加えて、特定技能としての具体的な採用フロー・在留資格手続き・定着支援の進め方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶【徹底解説】ミャンマー特定技能の採用|手続き・費用から受け入れ後の定着まで
ミャンマー国内情勢の現状(2026年時点)
2021年2月のクーデター以降、ミャンマー国内では不安定な情勢が続いています。
日本政府は、在留ミャンマー人向けの緊急避難措置を2021年5月から継続しています。
2024年10月からは、技能実習を修了していない人が「特定活動」へ在留資格変更を申請する場合、本人の責任ではない事情や、監理団体が実習先変更に向けて講じた措置などを踏まえて個別に判断する取扱いへ変更されました。採用時は、本人の現在の在留資格と就労可否を必ず確認してください。
また、ミャンマー側の海外就労手続きでは、2025年に海外労働身分証明カード(OWIC)の発給停止や送り出し制限が報告されました。JETROが2025年に伝えた時点では、同年4月下旬に一部手続きが再開した一方、日本向けは送り出し機関1社当たり月15人という上限が示されていました。採用時に最新情報を確認することをおすすめします。
運用は変更される可能性があるため、採用計画時にはミャンマー労働省、送り出し機関、出入国在留管理庁の最新情報を確認し、日程に余裕を持たせましょう。
なぜ日本で働くミャンマー人が増えているのか
増加の背景は一つではありません。2021年以降の本国情勢の不透明さ、国内雇用の不安定化、海外で技能や収入を得たいという希望、日本の人手不足分野で受け入れが拡大したことなどが重なっています。日本政府は、本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置も継続しています。
一方で、すべての人が同じ理由で来日しているわけではありません。面接では「なぜ日本で働きたいか」だけでなく、「どの仕事を身につけたいか」「何年後にどのような状態になりたいか」まで確認すると、候補者本人の目的と企業の育成方針を合わせやすくなります。
出典:出入国在留管理庁「本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置」
採用を検討する企業様へ
在留ミャンマー人と特定技能1号の人数は増えており、介護、外食、飲食料品製造などで採用機会が広がっています。
ただし、国籍だけで仕事への適性や定着可能性を予測することはできません。
面接で仕事内容への理解、経験、日本語力、働く目的を確認し、入社後の指導・相談体制と合わせて判断することが重要です。
Stepjobでは、ミャンマー人材の紹介から、在留資格手続き、入社後の生活支援まで、企業の受け入れをサポートしています。
具体的な支援内容・費用については、お問い合わせください。

まとめ
ミャンマー人の在留者数は今後も増加が見込まれ、日本人との相性の良さや日本語習得のしやすさから、労働者・留学生いずれの立場でも活躍が期待されています。一方で国内情勢は依然不透明であり、最新の制度動向を確認しながら採用を進める必要があります。
性格・宗教・教育背景といった「知識」だけでなく、指導の仕方・孤立防止・キャリアの見せ方といった「実務」まで理解することが、ミャンマー人材の定着と活躍につながります。
採用後の定着と活躍まで見据えるなら、Stepjobへ
ミャンマー人の採用を検討されている皆さんにとって、最も重要なのは採用後のフォローアップです。
文化的背景を理解し、適切なマネジメントを実践できても、行政手続きや生活サポートまで自社ですべてをカバーするのは現実的ではありません。
Stepjobでは、医療・介護分野を中心とした外国人材の採用から定着までをフルサポートしています。
特定技能制度の複雑な手続きも完全サポートし、入職後の生活面でのフォローまで行うため、企業の皆さんは本来の業務に集中できます。







