特定技能1号介護の在留期間が延長へ|介護福祉士国家試験パート合格制度の要件・手続き・注意点まで徹底解説

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2026年1月21日、厚生労働省は介護分野で働く外国人にとって大きな転機となる重要な制度改正を発表しました。
それが 「介護福祉士国家試験のパート合格(合格パート受験免除)を活用した、特定技能1号の通算在留期間延長措置」 です。

これまで特定技能1号介護の在留期間は 最長5年 と定められ、介護福祉士国家試験に挑戦するには時間的余裕が足りないという課題がありました。しかし、今回の措置により、一定の要件を満たした場合、最長6年目まで在留可能となり、外国人介護人材にとって資格取得への大きな追い風となっています。 

本記事では、制度改正のポイント、要件、メリット・デメリット、手続きの流れまでわかりやすく解説します。

今回の法改正(制度改正)の概要

 パート合格制度とは?

第38回(2026年1月実施)介護福祉士国家試験から導入された新制度で、試験を A・B・Cの3パートに分割。
合格したパートは翌年以降の受験が免除される仕組みです。
この制度により、5年目の試験で「1パート以上合格」かつ「総得点80%以上」 の場合、翌年の試験に向けて最長1年間の在留延長が可能 になります。

 特定技能1号の在留期間が最長6年に延長可能に

従来:通算5年
改正後:条件を満たすと+1年の延長が可能(通算6年)
この延長措置は パート合格制度に連動して設けられた特例で、外国人が国家試験に再挑戦しやすくする目的があります。 

<例:令和3年7月就労開始の場合>

1年目
(R3.7~R4.6)
2年目
(R4.7~R5.6)
3年目
(R5.7~
R6.6)
4年目
(R6.7~R7.6)
5年目
(R7.7~R8.6)
6年目
(R8.7~R9.6)
就労開始

 

実務経験3年
+実務者研修受講
→介護福祉士国家試験の受験資格取得
介護福祉士国家試験受験①
→不合格
介護福祉士国家試験受験②
→不合格
介護福祉士国家試験受験③

・合格の場合→在留資格「介護」に変更可能 ※速やかに変更許可申請を行う
・不合格の場合→帰国

出典:パート合格による介護分野の特定技能外国人の在留期間延長について | 厚生労働省

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在留期間延長の対象となる要件

厚生労働省が示した要件は「本人の要件」と「受入れ機関(事業所側)の要件」に分かれています。

外国人本人が満たすべき要件

以下 すべての条件をクリアした場合のみ 延長の対象となります。

・介護分野の特定技能1号で在留していること
・5年到達直前(最終年度)の国家試験を全パート受験 ※過去にパート合格があっても 全パート受験が必須
・最終年度の試験で1パート以上に合格
・総得点が合格基準点の80%以上を満たすこと
・翌年度の国家試験を受験する意欲と誓約があること
・不合格時には速やかに帰国することを誓約

過去に一部パートに合格している場合であっても、不合格パートのみの受験ではなく、全パートを受験する必要があるので注意が必要です。

受入れ機関が満たすべき要件

制度のポイントは 事業所側の支援体制が必須という点です。

・本人を引き続き雇用する意思がある
・支援責任者が面談を行い、学習状況を記録
・翌年度の国家試験合格を目指す 個別学習計画の作成(講座受講、研修計画など)
・作成した計画や必要書類を厚生労働省へ提出

この制度は受験者の努力だけでなく、事業所の継続的な支援が前提になっています。

在留期間延長の手続きの流れ

制度の流れは以下のとおりです。

① 事業所が必要書類を準備し厚生労働省へ確認依頼
→ 面談記録、学習計画、試験結果などを提出

② 厚生労働省が要件該当性を確認
→ 要件を満たす場合「結果確認通知書」を発行

③ 結果確認通知書を添えて入管へ在留期間更新申請

【注意】厚生労働省の通知=在留許可ではない

最終判断は必ず入管が行うため、「通知書があれば100%延長」とは限りません。 

本延長制度自体は昨年10月頃から運用が開始されておりますが、当初は介護分野は対象外とされており、介護が対象となったのは一昨日からという非常に直近のタイミングとなります。そのため、必要書類の取扱いや交付までの期間など、実務上の運用が十分に整備されておらず、不透明な点が多いのが実情です。

本措置の適用を受けるためには、厚生労働省へ「結果確認通知書」の交付申請を行い、厚生労働省から発行された「結果確認通知書」と必要書類を添えて入管へ在留期間更新申請を行うという手順が必要とされています。しかしながら、今回のケースでは介護福祉士国家試験の結果判明および結果通知書の受領が在留期限経過後の3月となる予定であるため、更新申請時点において制度要件を満たしているか否かの判断ができない状況にあります。

また、厚生労働省へ結果確認通知書の交付申請を行う際には「受験した年の介護福祉士国家試験結果の写し」の提出が求められております。合否結果が未判明の段階では当該書類を提出できないため、申請自体が受理されない可能性も考えられます。

仮に後日の追加提出が認められる場合であっても、本制度は導入されたばかりであり、現在も運用が整理・調整されている段階にあることから、必要書類提出後に「結果確認通知書」が発行されるまでに要する期間は不透明です(厚生労働省に確認済みとなります)。

そのため、結果判明後速やかに手続きを進めた場合であっても、特例期間(~4月25日)内に結果確認通知書が発行されるかについて見通しを立てることが困難な状況です。

この制度によるメリット

外国人本人のメリット

・試験再挑戦のチャンスが増える
5年で在留が切れるという不安から解放され、じっくり準備できる。

・介護福祉士資格取得が現実的に
合格パートの免除+ 1年の猶予により、資格取得率の向上が期待できる。

・働きながら学べる
継続雇用されるため、収入を維持しつつ勉強可能。

受入れ機関(事業所)のメリット

・育てた人材を失わずに済む
5年で強制的に退職にならないため、業務継続性が高まる。

・人材定着率の向上
学習支援を通じて本人との関係性が深まり離職減。

・有資格者(介護福祉士)の育成につながる
将来の中核人材を内部で育成可能。

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制度活用のデメリット・注意点

外国人本人にとってのデメリット

・最終的に「国家試験に不合格の場合は帰国」が必須
延長後の不合格は即帰国のため、プレッシャーが大きい。

・全パート受験が必要
過去に部分合格があっても例外はなし。

事業所側のデメリット

・学習支援や必要書類の準備に手間と時間が必要
面談・学習計画の作成など業務負担が増加。

・不合格時には雇用終了、帰国対応が発生
せっかく育成しても6年目で帰国の可能性もある。

注意点

合格した場合:在留資格「介護」へ変更申請が必須

翌年度の介護福祉士国家試験に合格した場合、対象者は 速やかに在留資格「介護」への変更許可申請を行う必要があります。これは延長措置が「介護福祉士の資格取得を強く後押しする制度」であるためで、合格後は特定技能1号に留まる必要がなくなるからです。

不合格となった場合:即帰国を誓約しなければならない

一方、試験が不合格だった場合は特例措置の趣旨上、延長された在留期間終了後、速やかに帰国することが前提条件となります。この取り扱いは厚生労働省が明確に示しており、延長措置が「資格取得を目指すための一時的な猶予」であるという制度的性格を裏付けています。この「不合格時の帰国誓約」は、制度を利用する上で避けて通れない重要な前提条件です。

本人だけでなく受け入れる事業所側も、

・この制度はあくまでも“資格取得の最終挑戦を支援する特例措置”である
・不合格の場合は延長の再延長などは存在せず、帰国が必須

という点を十分に理解したうえで制度を活用する必要があります。
特に事業所側は、制度活用前に本人へ内容を丁寧に説明し、双方が合意のうえで学習計画を進めることが求められます。

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制度活用のポイントと成功させるための対策

(1)早期からの試験対策スタート
特定技能1号で入職した段階から、国家試験受験までのロードマップを作成することが重要。

(2)日本語学習支援の強化
介護福祉士試験ではN2レベルが推奨。

(3)事業所内に“育成体制”をつくる
・定期的な学習面談
・外部講座・模試の提供
・先輩スタッフのメンター制度 などが効果的。

(4)制度のリスク説明を徹底
特に「不合格の場合の帰国義務」を本人も事業所も十分理解することが必須。

まとめ|制度を正しく理解し、外国人介護人材の育成に活かそう

介護福祉士国家試験のパート合格制度と、それに連動した特定技能1号の在留期間延長措置は、外国人介護人材のキャリア形成にとって大きなチャンスです。一方で、要件は厳格で、本人だけでなく事業所にも明確な責任が課されます。

制度を正しく理解し、計画的な学習支援を整えることで、外国人介護人材の定着と介護現場の質向上につながります。

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