在留カード更新ガイド:タイミング、必要書類、罰則について

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在留カードの基本情報

在留カードは、日本に滞在する外国人労働者にとって重要な身分証明書です。このカードは、外国人の日本国内での在留資格や在留期限、個人情報などが記載してされており、一定の在留期限までの滞在を示す公的な証明書として、公的機関や日常生活でのさまざまな手続きに必要となります。そのため、在留カードの有効期限や更新手続きについて正確な知識を持つことは、企業が外国人人材を適切にサポートするためにも非常に重要です。

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出典:「在留カードとは?」(出入国在留管理庁)

 

在留カード更新の重要性とタイミング

在留カードの更新は、外国人労働者が日本で合法的に滞在し続けるために必要不可欠です。有効期限が切れる前に更新手続きを行うことで、労働者はビザの条件に準拠し、法的な問題が解決されます。更新手続きは在留期間満了日の3ヶ月前から可能なため、期限ギリギリの更新ではなく、早めの手続きがお薦めです。企業側も、労働者の在留カードの有効期限に注意を払い、適切なサポートを提供することが重要です。

永住者の在留カードは?

永住者(高度専門職2号を含む)には在留期限が設定されていないため、在留カードの期限切れが在留資格の喪失を意味するわけではありません。しかし、期限が切れた在留カードは身分証明書としての機能を失います。さらに、有効な在留カードを常に携帯する義務に違反することになります。企業にも罰則が適用される可能性があるため、永住者であっても、企業側は在留カードの有効期限をきちんと把握しておくことが推奨されます。

特定技能の場合

「特定技能」の在留資格を持つ場合、または一部の「特定活動」の在留資格を持つ場合、同じ在留資格内であっても新しい会社への転職には在留資格の変更が必須です。そのため、転職するたびに在留カードも更新されることになります。これは、「特定技能」や「特定活動」の在留資格が特定の企業で働くことを前提としているためです。しかし、「技術・人文知識・国際業務」などの一般的な就労系の在留資格では、同じ範囲内であれば新しい会社への転職時に在留資格の変更は不要で、在留カードもそのままです。

 

更新手続きのステップと必要書類

在留カードの更新手続きは、本人の住所等を管轄する入管(出入国在留管理庁)で行います。申請者は、それぞれの在留資格の更新や変更の手続きに必要な書類を添付する必要があり、申請書、顔写真、パスポート、在留カード、住民税の課税証明書・納税証明書(1年分)などの提供が求められます。

手続きのステップ

最初に申請書と添付書類を管轄の入管に提出して申請します。在留資格更新の手続きの場合は、2週間から1ヶ月程度の審査期間が一般的です。審査に問題なければ、入管から通知はがきが届きます。パスポート、在留カード、通知はがき、収入印紙4,000円を準備し手続きすると、新しい在留カードが受け取れ、完了となります。
なお、手続きは余裕を持って申請することが推奨されます。企業は労働者が必要書類を揃え、スムーズに手続きが進むようサポートすることが望まれます。

オンライン申請が可能なケース

在留カードの更新手続きは、一部を除きオンラインで行うことが可能です。2022年3月からオンライン申請ができる範囲が大幅に増え、外国人本人もマイナンバーカードを使ってオンライン申請が可能となっています(短期滞在の更新など一部除く)。
詳しくはこちらをご覧ください。

 

更新を怠った場合の罰則と対処法

在留カードの更新を怠った場合、外国人労働者は罰則を受ける可能性があります。これには、在留資格の取消や強制退去など、厳しい措置が含まれることがあります。万が一、有効期限を過ぎてしまった場合は、直ちに最寄りの入国管理局へ相談し、指示に従うことが重要です。企業側も、更新期限の管理と労働者への適切な情報提供を行うことで、こうした問題の発生を未然に防ぐことができます。ここでは、いくつかの事例について、ご紹介いたします。

在留カードを紛失してしまった場合

在留カードは日本に住む外国人にとって最も重要な身分証です。紛失した場合は迅速に再発行手続きをしましょう。まず、最寄りの警察署で紛失届けを出し、遺失物届出証明書をとってください。次に、所轄の入国管理局へ行き、申請書、遺失物届出証明書、写真、パスポートをもって再発行を申請します。通常、その日に受け取ることが可能で費用はかかりません。在留カードを常に持ち歩く義務があり、法律では紛失に気づいた日から14日以内に再発行を申請することが定められているため、速やかに手続きを行ってください。

更新手続きをせず有効期限切れとなった場合

もし在留カードの更新手続きをせずに有効期限を過ぎてしまったら、どうなるでしょうか。在留カードの有効期限は同時に在留期間の期限でもあるため、期限を過ぎてしまうと不法滞在の状態になります。これには、最大3年の懲役刑や300万円以下の罰金が課される可能性がありますし、国外退去を命じられることもあり得ます。しかし、数日の超過の場合、速やかに入国管理局に行き状況を説明すれば、場合によっては更新を受け入れてもらえることもあります。その時は誠実に説明し、反省の意を示して、なんとか更新手続きを行えるよう依頼してください。

更新手続きの審査中に有効期限が切れてしまった場合

在留期間の更新申請には、通常2週間から1ヶ月の審査期間が必要です。在留カードの有効期限が迫ってから更新を申請した場合、カード上の在留期限が過ぎたように見えるかもしれません。しかし、更新申請を行った時点で、期限が過ぎた後でも2ヶ月間の猶予期間が与えられることになっています。また、在留カードの裏面には「更新手続き中」というスタンプが押されるため、安心してください。審査結果が出るまで待ちましょう。

 

最後に

この記事では、在留カードの基本情報、更新の重要性とタイミング、手続きのステップと必要書類、そして更新を怠った場合の罰則と対処法について解説しました。在留カードの更新は、外国人労働者が日本で法的に滞在し続けるために不可欠です。企業は労働者を適切にサポートし、更新プロセスを円滑に進めるために、これらの情報を理解することが大切です。

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