特定技能外国人を雇用する費用は?詳細をご紹介
特定技能外国人を雇用するとどのようなコストがかかる?
大きく3つに分類することができます。
①採用による人材紹介料・送出機関への支払い費用
②特定技能外国人本人への支払い費用
③特定技能外国人のビザ申請費用(在留資格申請費用)や支援による支払い費用
ただ、どのような場合でも費用は一律ということではなく、例えば「雇用する特定技能外国人を国内人材にするか、海外から呼び寄せるか」「受け入れる支援体制が自社で行うか、登録支援機関に委託するか」などで費用は変わってきます。それでは早速、この分類に基づき特定技能外国人の受け入れ費用の詳細をご覧ください。
採用による人材紹介料・送出機関への支払い費用
この費用は、採用候補の人材を募集・集客する際に発生する費用とお考えください。
① 人材紹介手数料
登録支援機関や人材紹介会社に候補人材の募集・集客を依頼する場合、紹介手数料として1名採用ごとに10万円〜30万円程が発生します。別の方法として、自社で求人広告を活用する場合でも、広告掲載期間やクリック数に応じて課金されます。こちらは仮に応募や内定がなくとも、一定の費用が発生してしまう点に注意が必要です。
もっとも、以下のケースでは費用は発生いたしません。
・自社で募集する場合
・自社で受け入れている技能実習生(2号・3号)をそのまま特定技能1号へ切り替える場合
・有料職業紹介が禁じられている建設分野の場合
② 送出機関に支払う費用
海外から来日する特定技能外国人を雇用する場合には、上記とは別に現地送出機関に送出費を支払う必要があります。その理由は、日本国政府と送出国との間で締結した、二国間協定(MOC)によって、送出機関を必ず通さなければならない国が存在するためです。背景として、各人材輩出国にとって、人材送り出しビジネスが国家の一大事業にまで成長し、重要な外貨獲得機会になっているのが影響していると考えられています。
費用の目安として、例えばベトナムの場合、特定技能外国人の給与額の1ヶ月〜最大3ヶ月分の手数料を徴収可能と規定されています。さらに、技能実習2号を満了していない人材を雇用する場合「日本語試験(N4相当)」と「分野ごとに実施される技能試験」の合格が必要ですので、その教育費用も負担することを踏まえると、送出機関へ支払う金額は、20万〜60万円と幅広く見積もっておいてください。
特定技能外国人本人への支払い費用
次に、特定技能外国人本人に支払う費用をみていきましょう。
① 給与・福利厚生
同じ程度の技能を有する日本人の正社員と同等以上の金額でなければなりません。技能実習生を雇用する場合よりは高い給与に設定される場合がほとんどです。特に賞与や福利厚生についても、日本人同様に付与する必要があります。日本人に付与され、特定技能外国人に付与されていない場合は、差別的な扱いをしているとされ、法令規定違反として、申請が不許可になる可能性もあります。
② 住居費用(準備費用、家賃補助)
企業側で賃貸物件を準備する場合、初期費用(敷金・礼金など)全般を負担する必要があります。また、入居の際の家具・家電費用、家賃補助は必ず支給する必要があるわけではありませんが、求職者が見て、少しでも魅力的な求人内容という印象を与え、募集のしやすさが大きく変わることを考えると、付与することをご検討いただいた方が良いかと思います。給料・勤務地・仕事内容が希望通りであったにもかかわらず、住居の件で敬遠されるケースも多いです。
③ 渡航費用
海外から来日してもらう場合、入国前に本人との話し合いで合意が得られていれば、入国時の渡航費用を企業側が負担する必要がありません。しかしながら、二国間協定(MOC)による取り決めなどで渡航費を企業側に負担を求めるケースがあります。さらに、より多くの人材を募集・集客することを狙いとして、渡航費を企業側が負担するケースも多くなっています。同じ職種内容で、渡航費が自己負担である求人と会社側が負担していただける求人だと、人材側にとって魅力的なものは会社側負担であることは明らかです。そのため、海外から呼び寄せる場合は、渡航費を会社側で負担する必要があると認識いただいた方が良いかと思います。
特定技能外国人のビザ申請費用(在留資格申請費用)や支援による支払い費用
最後に、特定技能外国人のビザ申請(在留資格申請)や支援による費用についてご説明いたします。これは、内定者を確保し受け入れた後にかかる費用となります。
① 在留資格認定・変更許可申請による費用
ビザ申請(在留資格申請)は外国人の方を雇用する際に必要で、出入国管理庁へ必要書類を提出し、就労のための審査を受けます。書類の数が膨大であること、専門知識も求められるため、登録支援機関や行政書士に委託する企業がほとんどです。委託した場合の費用としては、1名につき約10万円~20万円ほど費用が生じます。なお、自社で対応することも可能ですが、在留許可申請が不許可になってしまう場合や書類の不備による対応など、ハードルがとても高くお薦めできません。それらの対応に時間を要したことが原因で、外国人人材側から内定辞退を受け、他社に採用されてしまうというリスクがあります。初めて外国人の方を雇用する場合は、多少費用がかかったとしても専門業者に任せた方がスムーズに手続きが進むでしょう。
② 在留期間更新申請による費用
特定技能1号は5年間の在留期間がありますが、無事に在留カードが交付された後も1年ごとに在留期間を更新する「在留期間更新申請」を行わなければなりません。その際の手続きには『書類準備・作成・出入国在留管理庁への申請業務』が発生します。こちらも登録支援機関や行政書士に委託する企業がほとんどで、1名につき3万円~5万円の費用が発生いたします。
③ 義務的支援の委託費用
1号特定技能外国人を雇用する場合、受け入れ企業は法律で定められた支援を実施することが必要です。その支援一切を登録支援機関に委託する場合、2万〜4万円が支援委託料として毎月発生してきます。この義務的支援は、要件を満たした「支援責任者」と「支援担当者」の下で実施しなければなりません。自社で要件を満たした職員を専任できない場合、登録支援機関に支援を委託することができます。
義務的支援の項目
・事前ガイダンス ※外国人の理解できる言語(母国語)で3時間程度
・生活オリエンテーション ※外国人の理解できる言語(母国語)で8時間程度
・入国後送迎
・年4回の面談と報告書の作成(36協定違反がないかなどを確認)
・相談・苦情への母国語相談対応
・住居の確保及び生活に必要な契約支援(携帯・電気・水道・銀行口座など)
・日本語学習機会や日本人との交流促進に関わる支援
・非自発的転職の支援
最後に
今回の特定技能外国人を雇用する際にかかるコストについての記事、いかがでしたか。
特定技能外国人を受け入れる場合、入管申請の委託費をはじめ、様々な費用が掛かります。特定技能外国人採用には、こうしたコストも含め、事前によくご検討をお願いいたします。
当社は登録支援機関として、多数の特定技能外国人のマッチング実績があります。特定技能外国人を採用したいとお考えの際は、ぜひ一度当社までお気軽にご相談ください。