登録支援機関とは?特定技能の専門家が図解で徹底解説|失敗しない選び方5つの秘訣
特定技能制度の導入を検討している方で、「登録支援機関とは?」「委託する必要あるの?」と疑問に思っている方は多いと思います。
登録支援機関は、外国人材を受け入れる企業にとって重要なパートナーとなる存在です。
しかし、どこに委託するかによって、外国人材の定着率や企業の負担が大きく変わってしまうのも事実です。
この記事では、「委託すべきか迷っている」「どの機関を選べばいいか分からない」という方に、
特定技能制度の専門家が登録支援機関の役割から選び方まで、図解を用いて分かりやすく解説します。
そもそも登録支援機関とは?
特定技能制度における役割を図解
登録支援機関とは、特定技能外国人が日本で安定的に就労できるよう、受入企業(特定技能所属機関)から委託を受けて支援計画の実施を代行する機関です。
2019年に特定技能制度が創設された背景には、深刻な人手不足解消と外国人材の適切な受入体制構築がありました。しかし、外国人材への支援業務は多岐にわたり、専門的な知識も必要なため、多くの企業が自社だけでは対応困難な状況に直面しています。
【4者の関係性】
特定技能制度では、「特定技能1号(外国人)」「受入れ先企業(特定技能所属機関)」「登録支援機関」「出入国在留管理庁」の4つの主体が連携します。受入れ先企業は、外国人に支援を提供する義務がありますが、その実施を登録支援機関に委託することで、社内の工数を削減でき、専門的なサポートを受けることができます。
登録支援機関は出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関で、行政書士事務所や社会保険労務士事務所、民間企業など多様な事業者が参入しています。このような専門機関の存在により、外国人人材の円滑な社会参加と企業の安定的な人材確保が実現されています。

登録支援機関に委託できる支援業務
登録支援機関に委託できる支援業務は、法律で定められた「義務的支援10項目」と、
それ以外の「任意的支援」の2種類に分かれています。
義務的支援とは?
義務的支援とは、全10項目が法令で定められており、すべて実施する必要があります。
主要な項目は下記の通りです。
- 1.事前ガイダンス(雇用条件や業務内容を本人が理解できる言語で説明)
- 2.出入国する際の送迎(入国や帰国時、住居への送迎)
- 3.住居確保・生活に必要な手続き支援(住民票届出や銀行口座開設など)
- 4.生活オリエンテーション(日本のルールや習慣の説明)
- 5.公的手続等への同行(会社保障や税等の手続きの同行)
- 6.日本語学習の機会提供
- 7.相談・苦情への対応(職場や生活上の相談等、外国人が理解できる言葉で対応・助言)
- 8.日本人との交流促進
- 9.転職支援(受入れ側の都合により雇用契約を解除する場合、転職先を探す手伝いなど)
- 10.定期的な面談・行政機関への通報(生活状況の把握と相談対応を定期的に行う)
出典:特定技能外国人の受け入れる際のポイント | 出入国在留管理庁
任意的支援とは?
任意的支援とは、義務的支援以外で「より手厚くサポートする」ためのものです。
具体的には、出入国する際の送迎で、転居や移動にかかる費用を受入れ機関にて負担することや、日本語能力試験の受験料の負担、資格取得への優遇処置を講じるなどが挙げられます。
これらは法的義務ではありませんが、外国人材の安心感と定着率向上に大きく寄与します。
登録支援機関は、これら複雑な支援業務を専門的に行えるため、企業は本来の業務に集中しながら、採用した外国人に適切なサポートを提供できます。
登録支援機関を利用する5つのメリット
【自社支援との比較】
登録支援機関を選ぶ際には、表面的な情報だけでなく、自社のニーズに合致するパートナーを見つけることが重要です。
適切な選択をするためには、以下の5つの比較ポイントを総合的に評価する必要があります。
【1. 支援実績の豊富さ】
10,463件(※2025/7/16時点)の登録支援機関が存在する中で、すべての機関が十分な支援経験を持つわけではありません。自社の業界や採用したい国籍の外国人材に対する支援実績を確認しましょう。
【2. 対応言語とコミュニケーション体制】
緊急時や複雑な相談の際に、母国語でサポートできる専門スタッフが在籍しているか確認することが不可欠です。翻訳アプリだけに頼る機関では、外国人材の不安を十分に解消できません。
【3. 料金体系の透明性】
月額15,000円〜30,000円程度が一般的な相場ですが、基本料金に含まれる支援内容とオプション料金の内訳を事前に確認することが重要です。
【4. 人材紹介との連携】
採用から定着まで一貫してサポートできる機関を選ぶことで、ミスマッチを防ぎ、より質の高い支援が期待できます。
【5. 担当者の対応力】
最終的には人と人との関係性が重要です。契約前の面談で、担当者の専門性や誠実さを見極めることが成功の鍵となります。
★自社で全て支援する場合と登録支援機関に委託する場合の比較
登録支援機関を利用する際の注意点・デメリット
登録支援機関への委託を検討する際、メリットだけでなくデメリットも理解しておく必要があります。
【委託コストの発生】
当然ながら、月額15,000円〜30,000円程度が一般的な相場で、委託費用が発生します。
自社支援と比較して、継続的な費用負担を考慮する必要があります。
【「丸投げ」は禁物】
委託した場合、基本的には任せることもできますが、外国人の就労状況や生活面の変化について、受入れ企業側からの情報提供が不可欠です。例えば、職場での悩みや住居トラブルなど、日常的に接している企業だからこそ気づける変化があります。登録支援機関との連携が不十分だと、適切な支援が行き届かず、かえって定着に悪影響を与える可能性があります。
【社内ノウハウの蓄積不足】
支援について今後も委託する場合は、ノウハウの貯蓄不足はあまり問題ないので心配ないでしょう。
しかし、将来的に自社での支援を検討している場合や、複数の外国人材を継続的に受け入れ、段階的に自社での支援体制を構築したいと考えている方は、全面的に委託すると自社に特定技能制度に関する知識やノウハウが蓄積していかないケースがあります。
特定技能1号を受け入れる企業は、必ず支援委託を行わなければいけません。
自社で支援体制を整備できる環境であれば、自社で運用していくのは問題ないですが、従業員数や工数的などで難しい場合は、支援業務を委託することをおすすめします。
【最重要】
失敗しない登録支援機関の選び方と比較ポイント5選
登録支援機関選びで失敗しないために、次の5つのポイントを解説します。
① 支援実績:数より質と相性を重視
単に「何人サポートしました」という数字だけでなく、あなたの会社と同じ業種や、採用予定の国籍の人材をどれだけ支援してきたかなどが重要です。なぜなら、業種特有の課題や文化的背景を理解している機関の方が、的確なサポートを提供できるからです。
② 対応言語:翻訳アプリ頼りは危険信号
緊急時や複雑な相談の際、本当に母国語で対応できるスタッフがいるかを確認しましょう。
機械翻訳では細やかなニュアンスが伝わらず、トラブルの原因となる可能性があります。
③ 料金体系の透明性:安さだけで選ぶと後悔
「月額 1万円」と聞いて契約したら、必要な支援のほとんどがオプション料金だったという失敗事例は珍しくありません。
基本料金に何が含まれるのか、契約前に内訳を確認することをおすすめします。
④ 人材紹介との連携:採用から定着まで一貫サポート
人材紹介会社が運営する登録支援機関なら、採用段階から候補者の人柄やスキルを把握しているため、ミスマッチが少なく質の高い支援が期待できます。
⑤ 担当者の熱意:最終的には人で決まる
一般的なことですが、契約前の面談で親身に相談に乗ってくれるか、レスポンスは迅速かなど、担当者の姿勢を見極めることが成功の鍵となります。
登録支援機関の費用相場は?料金体系を解説
登録支援機関への委託にかかる費用について解説します。
月額支援費
支援委託料の設定は登録支援機関によって異なりますが、多くの場合は以下2つのケースに分けられます。
・月額が設定されている
・支援項目ごとに費用が設定されている
【月額の場合】
1人あたり月額15,000円〜30,000円程度が一般的な相場となっています。
ただし、支援内容の充実度や対応言語の種類によって金額は大きく変わります。
【支援項目ごとの場合】
初期費用・その他費用
月額費用以外にも、在留資格申請の代行費用として数万円から数十万円程度、初回登録料として数万円がかかる場合があります。
費用負担のルール ※重要
登録支援機関の費用は、原則として特定技能外国人本人に請求することはできません。
すべて受入企業が負担する必要があります。
登録支援機関に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 支援は全て委託しないとダメですか?
A.一部のみの委託も可能です。
登録支援機関とは、義務的支援10項目の中から必要な部分だけを選んで委託できるシステムです。
例えば、「日本語学習支援」と「生活相談」のみを委託し、その他は自社で対応するという使い方もできます。
Q2. 登録支援機関はいつでも変更できますか?
A.可能ですが、手続きが必要です。
変更する際は、「支援委託契約の締結又は終了に係る届出書」と「支援委託契約の変更に係る届出書」のふたつを、管轄の地方出入国在留管理局に提出する必要があります。
届出書の提出期限は、変更が生じてから14日以内 です。
提出はインターネット(出入国在留管理庁電子届出システム)・窓口・郵送の3つがあります。
郵送の場合は期日までに必着です。
➡届出書のダウンロードはこちらから
ただし、頻繁な変更は外国人材の混乱を招く可能性があるため、慎重に検討しましょう。
Q3. 良い登録支援機関のリストはどこで見られますか?
A.出入国在留管理庁のサイトで確認できますが、リストだけでは良し悪しは判断できません。
登録されている機関名と所在地は分かりますが、実際の支援実績や対応の質までは分からないため、気になった登録支援機関があれば直接お問い合わせすることをおすすめします。
まとめ:貴社に最適なサポートで特定技能人材の活躍を
登録支援機関とは何か、費用や選び方のポイントまで詳しく解説してきました。
重要なのは、登録支援機関は単なる業務代行ではなく、企業の成長と外国人材の活躍を支える重要なパートナーだということです。
適切な機関を選ぶことで、外国人材も安心して働ける環境を整えられます。
コンプライアンスも確実に遵守し、リスクを回避しながら優秀な人材の定着にも繋げることもできます。
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