在留カード紛失時の対処法:再発行手続きのステップと必要書類

ライフサポート

在留カードがなくなったら?

在留カードを紛失した際は、その事実を知った日から数えて14日以内に再発行の申請をしなければなりません。
在留カードは常時携帯する必要があり、持ち歩かないと罰金などの制裁がありますが、カードを失くしただけでは罰せられません。しかし、在留カード紛失後14日以内に再発行申請をしないと、最大1年の懲役または20万円以下の罰金が科されることがあります。外国人労働者が職場で在留カードを失くしたと報告した場合、迅速に再発行の手続きを行うことが重要です。

 

再発行手続きの流れ

在留カードを紛失したことを知った日から14日以内に必要な再発行の手続きは、いくつかのステップがあります。

紛失したことを最寄りの警察署に届け出る

まず最初に、紛失した在留カードについて最寄りの警察署に届け出ることです。
地方出入国在留管理官署での再発行手続きには、警察が発行する遺失届出証明書が必要になります。この証明書は、落とし物をしたことを証明するもので、警察で発行されます。遺失届出証明書の届け出は、本人または代理人によって行うことが可能です。代理人が手続きを行う場合、本人の委任状が必要です。また、遺失届出書は、一部の警察署では事前に印刷でき、印刷した書類に記入して提出することができます。
※ 参照:警視庁「遺失物(申請様式一覧)」

また、警視庁では、在留カードの遺失届出証明書の申請をオンラインで行うことができます。「警視庁行政手続オンライン」サイトから手続きを行うと、警察から電話で連絡があり、書類の受け取り日を調整し、都合の良いタイミングで書類を受け取ることができます。遠方に住む人や忙しい人にはとても便利ですが、緊急に書類が必要な場合は直接警察署へ行くことが確実です。
※ 参照:「警視庁行政手続オンライン」

居住地域の地方出入国在留管理官署へ再交付申請をする

次に、自身の居住地を管轄する「地方出入国在留管理官署」に再交付の申請をすることです。警察署で受け取った遺失届出証明書を持って、外国人労働者の居住地を管轄する地方出入国在留管理官署に行きます。2023年12月現在、日本全国には8箇所の出入国在留管理局、7箇所の支局、2箇所の入国管理センターが設置されています。各本局には、出張所が設けられています。地方に住む外国人労働者は、自分の住んでいる地域を管轄する出張所で手続きを進めることになります。なお、管轄する出張所であれば、どこの出張所を選択しても問題ありません。
※ 参照:地方出入国在留管理官署|出入国在留管理庁

その日のうちに新しい在留カードの受け取りが可能

再発行の申請が承認されると、通常はその日のうちに新しい在留カードが交付されます。交付までの時間は短く、場合によっては1時間以内に完了することもありますが、混雑状況によっては待ち時間が長くなることもあるので、時間に余裕を持って手続きに臨むことが望まれます。もしも即日交付ができなかった場合は、別の日に地方出入国在留管理官署を再訪してカードを受け取る必要があります。受け取りの際には、申請受付票やパスポートなどの必要書類を持参していくことが必要です。

 

再交付申請に必要な書類一覧

在留カードの再発行手続きには、書類が必要です。

【主な必要書類】
・遺失届出証明書、盗難届出証明書等
・パスポート
・新しい在留カードの顔写真
・在留カード再交付申請書
・在留カード漢字氏名表記申出書 ※漢字氏名の併記を希望する場合
これらの書類は、在留カードの再発行申請を自身で行う場合に必要となるものですが、代理人に委任する際には委任状も加えて準備する必要があります。在留カード再発行申請書は、出入国在留管理庁のホームページからダウンロードが可能で、事前に書類を用意して確認することで、間違いを防ぐことができます。在留カード漢字氏名表記申出書も同じく出入国在留管理庁のホームページからダウンロードして準備することが可能です。

※ 参照:委任状|出入国在留管理庁

 

申請と受領の対象者は?

申請と受領については、以下の人が対象となります。

・当事者自身
・当事者と同じ居住地に住む親族(16歳以上)
・地方出入国在留管理局長に届出を出した弁護士や行政書士
・当事者の法定代理人
・地方出入国在留管理局長から申請の取次に関する承認を受けている取次者

「地方出入国在留管理局長から申請の取次に関する承認を受けている取次者」については、公益財団法人入管協会が主催する「申請等取次研修会」に参加し、資格を得た後に申請等取次者になることができます。

 

再交付の際の費用は?

在留カードの再交付自体には、手数料は不要です。ただし、再交付には証明写真が必要なので、その費用は発生します。また、弁護士や行政書士に依頼する場合、費用が発生します。費用は数万円程度かかりますが、申請から受領まで全てを行ってもらえるため、在留カードの再交付を確実に受けたい場合には適しています。

 

海外での在留カード紛失時の手続き方法

その国の警察署に行き、紛失届または盗難届を提出する

まずは、その国の警察署に行き、紛失届または盗難届を提出することです。再交付を申請する際には紛失を証明する書類が必要となりますが、海外で紛失した場合でも同様です。現地の警察署に行き、在留カードを失くしたことを伝えます。紛失届けの形式は国や地域によって異なりますが、現地警察が発行する証明書であることが必要です。この書類を持って日本に戻ります。

査証(VISA)免除国以外の国籍の人が在留カードを紛失した際の留意点

在留カードがない場合でも再入国許可を受けている場合、パスポートがあれば日本への入国は可能です。しかし、査証免除国以外の国籍の人は、日本への入国に際して注意が必要です。これらの国籍の人は入国するたびにビザが必要となり、場合によっては出発空港で搭乗拒否になる可能性があります。そのため、事前に再入国が可能であることを証明する書類が必要となります。その書類は「再入国許可期限証明書」で、日本で発行してもらい、海外の本人に郵送またはメールで送付することになります。
「再入国許可期限証明書」の取得は、本人と同居する親族や行政書士などが地方出入国在留管理局にて行います。申請時には委任状が必要で、この委任状は海外から日本へメールやFAXで送ってもらう形になります。搭乗拒否を避けるためには、電子データで「再入国許可期限証明書」を提供してもらうことが有効です。この証明書を取得する際にも、現地警察で受け取った紛失届が必要となりますので、それも一緒に送っておく必要があります。
また、日本に戻った後の在留カード再交付申請にも、海外で受け取った紛失届が必要です。そのため、コピーをとり、何部か保管しておくことが必要でしょう。

 

最後に

外国人従業員を雇用していると、この問題に直面することがあります。多くは財布と一緒に紛失することため、本人も企業の担当者も大きな不安に襲われます。外国人本人だけでなく、企業の担当者も適切な知識を身につけ、予期せぬ事態に対処できるように準備をしておくことが大切です。

その他の記事