介護福祉士の国家試験(こっかしけん)義務化(ぎむか)は5年間先送(さきおくり)となりました。

介護福祉士の国家試験(こっかしけん)義務化(ぎむか)は5年間先送(さきおくり)となりました。

介護福祉士の国試義務化、5年間先送り 関連法(かんれんほう)が成立(せいりつ)
2020-06-08 (介護のニュースサイト Joint )より

社会福祉法(しゃかいふくしほう)、介護保険法(かいごほけんほう)などの改正案(かいせいあん)が2020年6月5日、日本の国会の参議院本会議(さんぎいんほんかいぎ)で賛成多数(さんせいたすう)で可決(かけつ)、成立(せいりつ)しました。

介護福祉士の養成校(ようせいこう)を卒業(そつぎょう)した人に対する国家試験の義務付けについて、既存(きそん)の経過措置(けいかそち)を延長(えんちょう)する形で5年間先送りすることも盛(も)り込(こ)まれています。これで正式決定(せいしきけってい)。政府(せいふ)は外国人留学生(がいこくじんりゅうがくせい)の増加(ぞうか)などを理由(りゆう)に押し切りました。

【養成校(ようせいこう)の経営(けいえい)にも配慮(はいりょ)

介護福祉士の資格取得方法(しかくしゅとくほうほう)をめぐっては、人材(じんざい)の資質(ししつ)や社会的な評価(ひょうか)を高める観点(かんてん)から見直しが図(はか)られてきた経緯(けいい)があります。

大学や専門学校などで学ぶ「養成校(ようせいこう)ルート」は以前、現場でスキルを磨(みが)く「実務経験(じつむけいけん)ルート」と違って国家試験を受ける必要がありませんでした。厚生労働省(こうせいろうどうしょう)は2017年度から、「養成校ルート」の人にも国家試験を求めていくルールへ変更(へんこう)。5年間の経過措置を設け、2022年度から完全実施(かんぜんじっし)するスケジュールを定めていました。一定の教育課程(きょういくかてい)を修了(しゅうりょう)した後で国家試験をクリアする、というプロセスへ早期(そうき)に一元化(いちげんか)すると説明していました。

今回の改正法(かいせいほう)では、この既存の経過措置を2026年度まで更に5年間延長する。最大の理由は留学生の増加(ぞうか)です。今や養成校に入学する人の約3割(2019年度)を占めており、今後も増えると期待されているからです。

大半の留学生にとって国家試験はハードルが高いのです。予定通りに義務化(ぎむか)になれば多くの貴重(きちょう)な戦力(せんりょく)を母国(ぼこく)へ帰す結果を招く、という懸念(けねん)の声が現場の関係者からあがっていました。
また、留学生が来なくなってしまうと養成校の経営は壊滅的(かいめつてき)な打撃(だげき)を受けることになる、との指摘(してき)も多くありました。

安倍晋三(あべしんぞう)首相(しゅしょう)は6月4日の参議院(さんぎいん)・厚生労働(こうせいろうどう)委員会(いいんかい)で、2027年度から円滑(えんかつ)に国家試験を義務化できるよう留学生などへの支援(しえん)に力(ちから)を入れると答弁(とうべん)しました。
「介護職の社会的な評価(ひょうか)を高め、介護職を目指そうと思う人を増やしていくことは大変重要(じゅうよう)な課題(かだい)」とも述(の)べ、引き続き具体策(ぐたいさく)を検討(けんとう)していく構えをみせました。

今回の改正案(かいせいあん)にはこのほか、介護、障害福祉(しょうがいふくし)、子育て支援(しえん)、生活困窮者(せいかつこんきゅうしゃ)支援といった分野(ぶんや)を超(こ)えた横断的(おうだんてき)な相談体制(そうだんたいせい)の整備(せいび)に向けて、市町村(しちょうそん)などが関連予算(かんれんよさん)を一体的(いったいてき)に使える新たな仕組(しく)みを導入(どうにゅう)することも含まれている。地域の福祉ニーズが多様化(たようか)、複雑化(ふくざつか)、複合化(ふくごうか)している現状(げんじょう)に対応(たいおう)することが狙(ねら)いです。今後、市町村や現場の関係者を後押(あとお)しして取り組みを普及(ふきゅう)、発展(はってん)させていくことが課題(かだい)となります。