外国人の方が日本の病院などで働く際には、それぞれに必要な資格、条件やビザがあります。
以下、解説していきます。
目指す対象職種について、知識を深めていただければ幸いです。
1.看護師、准看護師について
看護師には「看護師」と「准看護師」という二つの資格があります。
いずれも医療行為が可能な資格ですが、試験制度や資格など異なる点もあります。
外国で看護師の資格を取得済みであれば、試験に合格することで在留資格「医療ビザ」を取得し、日本で看護師や准看護師として就労できます。
試験制度の違い
- 看護師は厚生労働省が実施(毎年2月、全国同一日程)
- 准看護師は各都道府県が実施(毎年2月〜3月、都道府県により受験日、試験問題は異なる)
→2021年2月実施分から全国統一日程と問題で行われる予定 - 看護師と准看護師で受験のための要件も異なる(卒業した学校の履修内容や年数など)
- 看護師の国家試験の合格率は毎年90%前後
准看護師試験は受験する都道府県によって異なりますがおおよそ98%ぐらいと言われます。
試験の難易度は看護師に比べて易しくほぼ合格します。
試験日程が異なれば看護師と准看護師の試験をダブル受験可能です。
看護師になるための手続きは?
- 看護師国家試験受験資格認定を取得
- 看護師国家試験申し込み 看護師国家試験の施行|厚生労働省厚生労働省の所管する看護師国家試験の施行について紹介しています。
- 看護師の国家試験受験→合格後に医療ビザ取得
准看護師になるための手続きは?
看護師の認定申請を取得すれば、准看護師の試験も受験可能です。
看護師の認定を受ける資格がない場合でも、各都道府県で認定申請を受ければ受験資格を確保できます。
資格の違い
- 看護師は厚生労働省が発行する「国家資格(免許)」
- 准看護師は「各都道府県知事発行の免許」(資格があれば日本全国どこでも働ける)
- いずれも免許をもらえれば、一生有効な資格です。
実際の仕事内容や処遇
- いずれも医療行為が行える点では変わりませんが、准看護師は医師、歯科医師、看護師の指示を受けて仕事をこなしていく(労働力重視の)ポジションです。
- 企業の採用条件にある給与や昇進などの処遇面でも差があることが一般的です。
- 准看護師でも看護師試験の受験要件を満たし、試験に合格すれば看護師になることもできます。
もし看護師の試験が不合格でも、准看護師に合格しておけば働きながら看護師を目指すことができます。
ビザの種類
- 外国人の方は「医療ビザ」を取得して病院や介護施設で勤務することになります。
医療ビザは医師や看護師などの医療従事者のみに与えられる特別なビザです。10年以上経過で永住権取得のチャンスも生まれます。
准看護師の外国人を雇用する際の注意点として、資格取得から日本への在留期間は最長4年という制限があります。
Stepjobでは、これまでに500人近く看護職種を希望する外国人材を扱ってきた実績があります。
看護師、准看護師の認定申請から受験や医療ビザ申請、就職先(受入れ企業)の紹介までしっかりとサポートします。
お気軽にご相談ください。
2.看護助手について(特定技能介護)
- 「看護補助者」とも言われ、看護師、准看護師とは異なります。資格がなくともできます。看護助手は、医療機関や介護施設において、人手不足が深刻な看護師の負担を軽減し、看護師が専門的な業務に専念できるようサポートするのが仕事です。
- 仕事内容は、患者さんの身の回りのお世話などの作業が中心で医療行為はできません。介護施設の介護職とも近い仕事ですが、受入れ機関(病院)によっては医療行為以外の様々な仕事を担当する場合もあります。
- 日本人・外国人問わず無資格でも可能ですが、介護福祉士の国家資格の保有者や介護職の初任者研修の受講者は優遇されます。
- 外国人が看護助手として働く場合は、就労ビザ「特定技能介護」となります。「日本語能力試験N4以上」で、「技能試験:介護技能評価試験」+「日本語試験:介護日本語評価試験」に合格できればビザ(特定技能1号)の取得が可能です。
- ビザを取得後、特定技能人材として5年間、人材不足に悩む全国の病院や介護施設で「看護助手」労働者または「介護職員」労働者として働くことができ、技能実習生と異なり転職も可能です(同じ産業分野内=介護での転職であれば、試験もなし)。
- また、実務経験3年を積めば介護福祉士国家試験の受験資格が得られるメリットがあります。毎年1月末に行われる「介護福祉士」の試験に合格できれば、「介護ビザ」を取得(移行)してステップアップできるチャンスです。介護ビザは特定技能介護と比較しても、介護職の外国人で与えられる特別なビザです。ビザの更新さえしていけば、一生日本で即戦力の介護職員として働くことができますし、一定の要件を満たすことで永住権取得のチャンスも生まれます。
特定技能は2019年4月からスタートした新しい制度です。
外国人技能実習制度上の技能実習生とは入国目的が違うため、特定技能が有利な点も少なくありません。
母国で看護師の資格を持っていなくてもチャレンジできることもポイントです。
ぜひこの機会に看護助手(特定技能)を目指してください。
これまで500名以上の介護業種の外国人材を扱ってきた経験豊富なStepjobが、登録支援機関として特定技能介護の試験対策からビザ取得(出入国関係)、就職先(受入れ企業)の紹介までしっかりとサポートします。
特定技能介護
また、やる気のある方には介護の専門学校(2年間)を経て、「介護福祉士」の国家資格取得を目指すコースもあります。奨学金などの費用面の金銭的支援を受けながら安心して学ぶことができます。
いま、日本語学校や他の専門学校に通っている方にもチャンスがあります。細かい資格や条件はお問い合わせください。